うちのネコはどこから来たの? イエネコとヤマネコ 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • SumoMe
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-08-12-38-17

私たちが普段接しているネコは正確にいうとネコ目ネコ科ネコ亜科ネコ属ヤマネコ亜種に分類されるイエネコです。

その学名はFelis silvestris catus。これらラテン語を分解すると felis=ネコ silvestris=野生の catus=ネコ、という意味の言葉で作られておりイエネコなのに野生?と不思議ですね。(一部では Felis catus と表記する)

これはイエネコはネコ目ネコ科ネコ亜科ネコ属ヤマネコ種イエネコ亜種であるためこういった学名になりました。つまり「イエネコは種としてはヤマネコに含まれますが、ヤマネコとは異なる」という分かりづらい分類になってしまっています。

スクリーンショット 2013-07-08 18.40.13
ヤマネコの中のイエネコ

そしてdomestic cat =ドメスティックキャットやHouse cat=ハウスキャットはイエネコの英語に当たります。短毛のイエネコをDSHドメスティックショートヘアー、長毛のイエネコをDLHドメスティックロングヘアーと呼ぶこともあります。

イエネコ、ヤマネコ、ノラネコの違い

・イエネコ:人間の生活圏で暮らすネコです。domesticという言葉は飼いならされた、という意味です。ネコは飼いならされた印象は受けませんが人間と暮らしているのでドメスティックキャットになります。

・ヤマネコ:ネコ目ネコ科ネコ亜科ネコ属ヤマネコ種に分類されるグループ。上記のように分類学的にはイエネコもヤマネコに入るが、通常イエネコとは区別される。

広い意味で「完全に人間の生活圏外(森や島)に住んでいる小型ネコ科動物」。例としてイリオモテヤマネコやツシマヤマネコなど。英語にするとwild cat=ワイルドキャット。

狭い意味ではヤマネコ亜種に含まれる以下の5種を指します。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-08-12-42-12

 

※ノラネコ:日本語でいうノラネコは人間の生活圏内で家の外で生活しているネコです。分類的にはイエネコになります。英語では stray catと呼ばれます。

イエネコの祖先

イエネコの祖先は上記の5種のヤマネコのうちの1つだと考えられ、その人懐っこい性格、骨格などが似ていることからリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)であると推測されていました。他のヤマネコはたとえ0歳児から人間が育てても手なづけることは難しいです。一方、リビアヤマネコだけは人が育てること人に恐怖心を持つことなく共生することができました。この点がリビアヤマネコがイエネコの祖先といわれてきた理由の1つです。

そしてこれは2007年にミトコンドリアDNA解析でリビアヤマネコがイエネコの祖先である裏付けがとれました。

※ミトコンドリアDNA:核DNAとは独立しており、母親からのみ子に受け継がれる特性がある。そのためこれを調べることで母方の祖先が分かる。人類の共通の祖先は17万年前のアフリカの一人の女性であるとされている(ミトコンドリアイブ説)。

 

African-wildcat
リビアヤマネコ
イエネコよりも手足尾が長く耳が大きい。毛色は様々だが砂漠や砂地に馴染む色が多くデザートキャットあるいはアフリカンキャットとも呼ばれる。

人との共生

ネコが人間と共生し始めたのは紀元前4000年のエジプトだと言われています。農業が発達したことにより穀物の畑や倉にいるげっ歯類を捕まえにネコが集まってきました。そのうち警戒心の低い穏やかなネコが人間に可愛がれ人間の生活に入り込んだのでしょう。

エジプトの Mostagedda という地域の墓には人間と一緒にネコが埋葬されており、この時代からネコが人間と親密な関係にあったことを示しています。その後商人や船乗りの手によって全世界にネコは広がっていきました。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-08-14-10-09

一方、2004年に地中海のキプロス島で9500年前の人お墓から猫の骨が発見されました。キプロスは当時(約1万年前)も大陸からは60〜80km離れていました。そのため人為的にイカダでネコを島に運んだと考えられます。東部の地中海沿岸、レバントと呼ばれる地域でこの頃からすでにネコは人と共生していたと考える説もあります。

 

 

中国でも共生してい跡が

5000年前の中国の農村でも人と共生していたと見られるネコの骨が見つかりました。解析の結果この骨はベンガルヤマネコ Prionailurus bengalensis であることが判明しました。しかし、現在のイエネコにはベンガルヤマネコの血筋は残っておらず、人と共生したベンガルヤマネコのグループはどこかで途絶えてしまったと考えられます。

同じ動物が異なる時代と地域で家畜かすることは、非常に珍しく動物の家畜化に関する研究者の間では大きなニュースになりました。

日本に来たのはいつ頃か

記録の上では紀元999年平安時代に中国からネコが運ばれてきたと記録されています。しかし弥生時代にカラカミ遺跡から猫の遺骨の発見例があり、紀元前から密かに日本に渡っていた可能性が高いとされています。

999年から日本では宮内でのみ繁殖しており、これは世界で初めてのブリーディング(限られて範囲での計画的交配繁殖)として記録が残っています。

最後に

あなたの家の猫も、駐車場で寝ている野良猫も、アメリカンショートヘアーやペルシャも、みんなエジプトから世界に広がったリビアヤマネコのから派生した Felis silvestris catus です。

IMG_1739
我が家の
フェリス・シルヴェストリス・カトゥス

 

うちのネコはどこから来たの? イエネコとヤマネコ ” へのコメントが 1 点あります

コメントを残す